Museum of あやしい Japanese history
恵方巻き
 
 
節分の日に恵方巻きといった太巻きをきらずにかぶりつき厄を払うという風習が大阪にあります。恵方とは、その年の歳徳神(としとくじん)の位置する方位です。俗に「あきの方」といわれ、一年中の大吉方位であります。7年程前、大阪で初めてこの風習を知ったときには、東京生まれの自分はびっくりしたものですが、その後、情報化社会と資本主義の常で、ここ数年、海苔業界、寿司業界によって全国に広まりつつある風習のようです。しかし、さて、いつ、どないなことから始まった風習なのか?実は定かなことはわかっておりません。山内一豊が、合戦に臨んで行い、結果大勝利したことに由来するものだとか、豊臣秀吉の家臣、堀尾茂助吉晴がたまたま節分の日に巻き寿司のような物を食べて出陣し、戦いに大勝利をおさめたのが起源だとか、諸説あるようではありますが、とある学者が文献を調べたところ、風習自体そんなに古いものではなく、突然江戸後期頃より文献に現れるのだそうです。
ひとつの説として、江戸後期の大阪の花街で生まれた風習だというものがあります。黒くて長く太い太巻きを、かぶりついて食べたら、幸せになれるよと、おもしろがってやらせて、遊んだのが最初ではないかと。

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