Nov.11.
2002
Gaia already has A Brain.




15年程前、個人のもつコンピューターのHDDの容量はせいぜい2桁MBだった。
広い海だなと、みんな思っていた。
脳科学が進み、人ひとりの脳を構成するコンピューターを作るのは現実的には不可能だと考えた。
情報スーパーハイウェイ構想の名の元に、ニューロンを伸ばし始めた。
箱が外と繋がったとたん、世界が変わったと感じた。
ジョンレノンのイマジンなんだよと、誰かが言った。

you may say I'm a dreamer
but I'm not the only one
I hope someday you'll join us
and the world will be as one


今や、常時接続されゆく端末が持つHDDは2〜3桁GBとなり、FDDは消えゆき、そして十分と思われていたIPは枯渇している。
AIはいろいろなアルゴリズムを取り込み、今や誰もが友達に持つ。

20GBのHDDなんて、何で埋まるんだよ なんて思っているうちに半分が埋まった。
そのうちWWWのキャッシュはどのくらいあるんだろう。
ブックマークは整理されることなく増殖していく。リンク切れも気がつかないほどに。

ミームは散らばる。
国境を越えて。
政治も文化も宗教も超えて。

いるもの、いらない物を選択して記憶を格納していく脳は、無意識という海馬の下にいらないと思ったアーカイブを溜め込む。
かなわないと思っていたHDD、膨大な情報、ファイル。いまや、バックアップをとることなど安価にたやすい。
ネットワークの上には個人日記が溢れ、必要か不必要かの価値観など大したものさしではなく、いつの日か、誰かが検索してくれることをそこで待ち構える情報となった。

SETIは日々伸ばしたニューロンの先で宇宙人探しをしている。
17歳の少年は素数探しにこの頭脳を使った。

携帯電話という名のインターネットリーチャブルな端末はポケットに。

人間はGaiaのニューロンだったのかもしれない。
ミームを交換しあい、進化していく。成長していく。
記憶、経験、知識、情報・・・

アインシュタインが言った。

知識は重い負担にならない。
そう信じている人は、大変な思い違いをしている。
古くさいガラクタで一杯になった人は、 滅多に新しいことを思いつけなかった。
頭は空っぽにしておくほうがいい。
知識のためには図書館がある。
そこでなら、いつだって知識が君のために待ちかまえてくれるし、
君が行くまでは口をつぐんでいてくれるのだから。


長靴下のピッピは 、(学校にいかないで)大人になってポルトガルの首都がどこか聞かれたらどうするの?困るでしょ?と言われて、こう答える。

ポルトガルに手紙を出すわ。首都はどこですか?って。

エルディシュが言う。

君の頭は営業中かね?

GaiaのBrainは24時間営業中だ。


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