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4月くらいに、主治医に言われたこと。
”建築用語で言うところの養生です。例えば、建物の土台をコンクリートで作るでしょ?土台がしっかりしてなければ、建物は建てられない。コンクリートは固まったように見えても、実際の強度が出るまでには時間がかかる。実際のところ、その強度が出るまで待ちきれずに建物を建ててしまうことも多い。今はその養生の時期だとおもう。正直今は何もできない。治療という行為で何かした結果いろいろな事が噴出して収集つかなくなる事のほうが恐ろしいと思う。とにかく対処療法として薬を使いながら様子を見るしかない。”
とにかく自分の身の置き所さえ掴めず、おろおろしていた自分は、それを言い訳にした。
8月にカウンセリングを再開して、カウンセラーのおじーちゃんに言われたこと。
”自分から離れてみたら?”
”例えば、この帰り道。道端に咲く花を見て、きれいだなって思ったり。そいう事。”
実際、そうか、養生なんだ。と言い訳でなく自分で思えたのは、夏も終わりの頃だ。それから、しばらくして”自分から離れる”という意味も、少しわかったような気がした。
調子がいいときは、その時を楽しもうと思った。登り電車に乗れないなら、下り電車で行ける所に行けばいいとおもった。成田までいって飛行機に乗れば、相対して行けない場所の方が狭くなるんだと、にやけた。バスで行ける干潟にいってバードウオッチングをする。双眼鏡で鳥の違いや動きを見る。狭い視界の中に夢中になってみる。ごはんを食べる。おいしい事だけを感じる。自分から離れる事ってこれかなって。
出来ることは意外にあること。自分から離れる感覚をつかんだこと。
楽になった気持ちでいた。 |
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